OTNK日記

20代。ゲイ。種々雑多な日記。

音楽なにも知らないやつが三代目J Soul Brothers 7th Album「FUTURE」の感想を書く

 結構老け顔をしている。

いきなりなんの話だと思うかもしれないが、表題通りの話である。安心してほしい。人は顔で殆どの印象を決定付けられる。その顔で聞いている音楽とかも推察される場合がある。「洋楽聴いてそう」「ロック好きそう」「アイドル詳しそう」

色々ある。その人の醸し出すオーラ。今までの歴史が刻まれる顔。それらを包括的に見られ、「〜聴いてそう」という極めて身勝手な審判が下される。それが会話の取っ掛かりにもなるもんだからそれほど嫌ってはいない。

さて、自分は三代目J Soul Brothersをよく聴く。顔は演歌かフォークソングかといったところなので、意外や意外という顔をされる。しかし、あえて自分語りをさせてもらえば、別になんでも聴く。洋楽、ロック、アイドル、メタル、レゲエ、ラップ、ダンスミュージック。音楽産業を通して発信されたものは大抵好んで聴く。良く飼いならされた聴衆である。音楽においての選民主義者とは真っ向から意見を異にする。

本題。前置きが長すぎる。お前の顔なんか知ったこっちゃない、という意見が手に取るように分かる。

三代目J Soul Brothersの7thアルバム「FUTURE」が6月6日に発売された。オリジナルアルバムとしては2年振りになるらしい。ベストアルバムを挟んだのでそんなに待たされた感がない。しかし、彼らの新曲が聴けるのは単純に喜ばしい。「FUTURE」の名の通り彼らの未来への新たな展望を描き出していることだろう。シングル曲はとりあえず置いといて、アルバム曲のみの個人的な感想を書いていく。ただ、当方音楽知識は皆無な故、常に感覚的でさっくりとした感想になるので申し訳ない。

・RAINBOW

1曲目。第一印象としてはEDM大好きだなという感じだ。三代目の超有名曲といったら「R.Y.U.S.E.I」であろう。この曲でJ-POPとEDMの融合を見事に果たし、大ヒットとなった。そこから「O.R.I.O.N」や「Summer Madness」などのゴリゴリなEDMソングを打ち出してきた。

三代目のバラードを好む層からすればこれらのEDMソングは不評となるらしいが、思えばデビューシングルの「Best Friend’s Girl」から、クラップなどのエフェクトがEDMっぽい。デビューシングルから感じるEDMの流れ。「R.Y.U.S.E.I」でそれは表面化したものの、三代目とEDMはもう切っても切れない関係なのかもしれない。

そして今回も一曲目からゴリゴリのEDM。前半は綺麗なサウンドでどこか切なさを感じさせる。ボーカル二人の歌い方もいつもよりしっとりとしている気がしている。バラード好きが、あ、バラードだとうきうきするであろう。しかし、サビ終わりから唐突に始まるEDM。有無を言わせない。バラード好きもEDM好きも両方抱き込もうとしている。流石イケメン集団だ。強欲である。ガガガSPがロックバラードとパンクロックを一つの曲に詰め込んでいるようなものだ。一粒で二度美味しすぎる。

この曲はMステで先行披露されていたのだが、パフォーマンスも合わせて見ると更に美味しい。というか、パフォーマンスに目がいきすぎて曲が入ってこない。昔の三代目のダンスはボーカルがあまり踊らず突っ立って歌っていた。当然である。歌いながらダンサーが踊るような激しいダンスを踊るのは中々厳しいものがある。しかし最近の三代目はボーカルも踊る。登坂広臣曰く、踊らされる。難度の高いダンスを歌いながら踊る。そのパフォーマンスは圧巻なもので、腕をブンブン振る特徴的なダンスと相まって魅了度がハンパない。顔が良いからか。顔が良いからだろう。最後に投げやりな評価になってしまった。

・蛍

7曲目に位置する。来ました王道バラード。先述の通り三代目のファンには、彼らのバラードを高く評価する層が一定数存在する。世間的に三代目といえば「R.Y.U.S.E.I」を始めとするいわゆるパリピソングのイメージであろう。間違っちゃいない。というか当たっている。パリピである。彼らは間違いなくパリピであるし、ファン層ももれなくパリピが多く占める。世の中は声の大きいものが勝つように、パリピの声の大きさが三代目のイメージをパリピたらしめている。それで敬遠される者も多かろうが、ちょっと待った、勿体無い。大根の葉っぱを捨てるようなものだ。勿論、大根の本体はあの肥大化した根の部分である。しかし、葉の方にも栄養は多分につまっている。三代目のバラードは大根の葉っぱである。根の方で敬遠される方もいようが、葉っぱの方にも注目して頂きたい。つまっている。バラードにも三代目の魅力はつまっている。故に、バラードを高く評価する層も存在しているのである。

蛍、バラード大好き民待望の王道バラードである。ここまでの曲順で「J.S.B. LOVE」「J.S.B. DREAM」「J.S.B. HAPPINESS」とJ.S.B三部作が続いており、パリピ成分はギュウギュウに煮詰まっていた。そこで満を持してのバラード。これにはバラード好きの自分もにっこりだ。三代目全体としても「Unfair World」以来だから2年ぶりくらいじゃないだろうか。結構待たされた。

作詞は三代目を始め、EXILEやGENERATIONS、LDHを飛び出しては、小泉今日子藤井フミヤの作詞をしている小竹正人が担当。LDHのバラードといったらこの人の名前は必ず挙がるだろう。今回の歌詞は、結構しみったれソング。俺はこんなにお前が好きだ!知ってくれ!どこにもいかないでくれ!みたいな思いを、蛍という幻想的な存在をつかってこれまた幻想的な曲調の中に表している。小竹正人という人間を知らないからなんとも言えないが、こういう男のみじめというか弱さを表すのが得意な人な気がする。「最後のサクラ」然り「Unfair World」然り。「Summer Dreams Come True」や「Wedding Bell ~素晴らしきかな人生~」くらいの前向きなバラードの方が個人的には好きだ。しかし、これはこれで良い。誰しもきっと弱さはあるし、恋愛においてそれは顕著だろう。いわば応援ソングとしても受け取れる。聴けば聴くほど深くハマるスルメ曲。

・恋と愛

8曲目。連続してのバラード曲。向こうも分かっている。2年という長い歳月の間、バラードをお預けされたバラード民の乾ききった大地に注がれる2曲連続のバラードという恵みの雨。雨季と乾季が明確に入れ替わるサバナ気候のように緩急を入れられている。焼畑農業だ。これでまたしばらくバラードお預けされる予感をありありと感じる。しかし、今はこのバラードの雨を楽しもう。バラードで涙を流し、渇いた心の大地を潤そう。

そんな心持で聴く「恋と愛」。これも小竹正人が作詞を担当している。まぁ、エグイ歌詞となっている。男のエゴ満載である。男のほうから振っといて、これは愛じゃなくて恋だったんだ…みたいな事を言っている。すごい。三代目の女性ファンはこの歌詞と歌わされている今市や登坂を重ねて、キツイキツイ言ってるのであろう。「サヨナラ」という登坂にキャーキャー言うのだろう。良くも悪くも男の身勝手に巻き込まれる女性諸君の心中を察するばかりである。恋と愛の定義にいつまでも迷う男性、中学生か!と誹りたくなるが男はこういう精神的なものに左右される生き物であろう、と小竹正人は言っている気がする。それを歌詞に落とし込むことによって女性はそれの対義であると逆説的に言っている気もする。考えすぎであろうか。考えすぎである。

MVも公開されている。なんか黒いMVが第一印象。久しぶりに黒い気がする。今までがパリピばっかだったので反動でそう感じるだけであろうが。しかも結構バイオレンス。パフォーマー陣が後半になるにつれて荒れていく。咽び泣く岩田。口汚く罵る山下。酒に狂うNAOTO。事故る小林。ビンで人を殴るELLY。これは正にCRAZYBOYである。三者三様、阿鼻叫喚。画的にも内容的にも真っ黒である。やはりこれをみて女性ファンも同じく阿鼻叫喚であろう。夢女子なんかいたら泣き出すであろう。これも男性のエゴの一面を表現しているのだろうか。個人的には事故る直己が面白かったので、良いMVであった。勿論、自分が一番好きなメンバーは小林直己である。

曲調はGENERATIONSの「涙」に似ている。というか最初聞いた時、同じメロディかと思った。自分の引き出しの少なさ故だろう。「涙」は良いメロディなので勿論こっちも良いメロディだ。当然の帰結。音楽知識がないからあまり語る言葉がない。

・FUTURE

最後の曲。これはもう分からない。全編英語。英語しか歌わない曲としては「君の瞳に恋してる -Can't Take My Eyes Off You-」があるが、こっちは超有名曲のカバーなので、評価もある程度固まる。しかし「FUTURE」は分からない。英語だから分かんない。アホだから。というのは冗談としても、初めての試みにまだ評価をし難い。世界へ発信していくグループになるという表明だろうか。

ONE OK ROCKは、世界ツアーの前後で全編英語ばっかの歌を多く出した。個人的にはとっつきやすい日本語歌詞が嬉しいが世界へ羽ばたくためには日本語では中々難しいだろう。インディーズバンドが有名になってメジャーデビューする時の様に、グループの進化を見続け応援し続けるのがファンってものだろう。ならば、日本国内から世界への進化も応援し続けようと思い、ONE OK ROCKを未だに応援し続けている。

それと同じことが三代目でも起こるのだろう。彼らの「FUTURE」に期待してこの進化を見守り応援し続けよう、そう思わされた一曲だった。

書いた。昼休みの1時間でずらっと書いた。まだ、ソロ曲の方が残ってるがそれはまた時間のある時にでも。とにかく総評すると三代目の未来を感じさせつつも、今までの流れをしっかり汲んでファンサービスしてくれている良いアルバムだった。