OTNK日記

20代。ゲイ。種々雑多な日記。

Forbidden エアコン

昨夜、エアコンをつけてしまった。今思えば大した暑さではなかった。扇風機で十分な涼を得られる暑さだったかのように思う。それなのに入浴後の熱った体を外気の暑さと勘違いしてエアコンのリモコンに手を伸ばしてしまった。失策だ。一度、エアコンの涼しさに触れてしまった自分には今日からの外気の暑さを、昨日のエアコン作動下環境を基準に考えてしまう。人間は慣れる生き物とはよく言ったのだが、エアコンの冷気への適応速度はその中でもずば抜けて早いものだ。あのユートピアを自分は忘れられない。もうエアコンのない生活には戻れない。圧倒的不可逆性を持っている。

自分が幼児の頃、こどもちゃれんじを毎月購読していた。購読していたと言うと語弊がある。親が購読し、それを与えられていた身分である。こどもちゃれんじを有難く賜っていたのだが、自分の何よりの楽しみは付録にあった。算数ドリルや簡単な英単語帳からお絵かき帳や粘土まで種々雑多なものが付録として毎月送られてきていた。お堅い教材をそっちのけで工作系の付録を無邪気に楽しんでいた。あの無邪気なひと時に、後の大情報漏洩のことなぞは全く考えていなかった。ベネッセだだ漏れ事件。

閑話休題。その夢中になった教材の中に色つき粘土で遊ぼう!なるものがあった。カラー粘土である。幼い頃の粘土など、もう触っているだけでファビュラスな気持ちになれる代物だ。そこに色がついてるとなれば、輪をかけて興味をそそられるのは当たり前である。

赤い粘土でりんごを作ろう!白い粘土で犬をつくろう!色々作例はあった。

そこで少年時代の自分はグレートディスカバリーをする。赤と白を混ぜれば何色になるのだろう。混ぜてみた。ピンクになった。そこで赤と白を混ぜるとピンクになることを初めて知った。ニュートン万有引力を発見したときのような青天の霹靂。身に落雷が落ちる感覚を初めて味わった。当時5歳か6歳。今思えば、遅咲きである。圧倒的アホ。しかし、世紀の大発見の感動に身を震わされた自分は一心不乱に粘土を混ぜた。一心不乱に混ぜた結果、ピンクの粘土が大量に出来た。と、同時に赤と白の粘土がなくなった。そこでまた少年は気づく。混ぜたら戻らない。世の中には不可逆性を持つものがある。世界の真実に至った気がした。しかも同日に2度も。

さて、エアコンの話である。赤と白とピンクの魔法同様、不可逆性を持つエアコンの冷気への慣れによって自分はもうエアコンをつけ続けるしかない。冷気に晒され、室外機が地球へと桃色の吐息を吐き出すスーパーエコアンチ行為の沼にずぶずぶはまっていくしかないのである。これも不可逆性のなしえる技だ。仕方ない、諦めよう。

加えて日本の残暑は厳しい。エアコンとの癒着はもしかしたら9月いっぱいまで続くかもしれない。ごめん、地球。

 

Forbidden…SKY(舞台KING OF PRISM-Over the Sunshine!-)

Forbidden…SKY(舞台KING OF PRISM-Over the Sunshine!-)