OTNK日記

20代。ゲイ。種々雑多な日記。

イッセイミヤケを以ってアサシンとなる

東京に住む親戚にそれはそれはファッショナブルなお兄さんがいる。ダイバーシティが叫ばれる昨今、多様性を認めていく社会になりつつある。その中でもファッションは比較的早くに多くの様式が取り入れられ、今や着るものによって個性を叫ぶ時代になっている。

そうは言っても、限界ってものはある。TPOって言葉があるように、適した場所には適した服を。パーティー会場にサンダル、短パン、タンクトップで赴いたら非難の目を集めることは必至だろう。

それはさておき、そのシャレ乙な親戚から要らない服が着払いで我が家に届いた。何点かの中に、イッセイミヤケのサマーコートが入っていた。黒いロングコートで、素材は綿かなにかだろうか。まるでアサシンのような印象を受けた。

イッセイミヤケ。知っている人は知っているが知らない人はとことん知らないだろう。イッセイミヤケとは、主にモード系の服を得意とするブランドでそれはそれは値が張るハイブランドとなっている。メンズの服としては、黒を基調としたスタイリッシュなイメージだ。FFXVの主人公たちの服をイメージしてもらえれば伝わりやすいだろうか。要は、パリコレとかに出る意味分からんブランドという認識で良いと思う。

そのイッセイミヤケのサマーコートが届いたのである。自分のファッションに関しての意識としては、概ね人並みである。近所のアウトレットにい行ってファストブランドのセール品を買い漁ることで、日々の服を間に合わせている。そんな人間がイッセイミヤケを使いこなせるかといったら、絶対に使いこなせない。

そもそも、ゲイの中でのファッションは短パン、Tシャツ、バックパックといったいかにもアウトドアファッションといったものが好まれる。今現在、それと自分のファッションをすり合わせていっている最中なのに、そこにイッセイミヤケなんか放り込まれた日にはイッセイミヤケは異物と成り果てる。世界的ハイブランドといっても、ゲイファッションの中では、しまむら以下の効果しか出せないであろう。適材適所という言葉を痛感させられる。

しかし、イッセイミヤケ

これを着こなす人間は、顔が良いのは勿論のこと、あらゆるファッションに全て触れて愛読ファッション誌は「commons&sense manだよ」ぐらい言う人間だ。ちなみに、自分の愛読ファッション誌は「メンズナックル」だ。普通の感性を常人の何倍ものフルスロットルで回して辿り着ける境地にいる人間が着るお召し物、それがイッセイミヤケだ。

Gパンに白いTシャツとか黒いスキニーに白のYシャツとかの誰が着てもそこそこに見える類のそれではない。しかも一点イッセイミヤケに変えると、他の大部分もイッセイミヤケに習って変えていかなければならない。TシャツGパンにイッセイミヤケなんてファッションは言語道断であり、イッセイミヤケを着るからには全身アサシンのような格好をしなければならない。 

100歩譲って自分がアサシンになれたとしよう。アサシンになれたとして、それでどこに行くのだろうか。職場にアサシンでいったら、警備に止められる。田舎にアサシンで帰ったら、町内掲示板に不審者情報として出回るのがオチだ。

着る人を選べば、着る服も選び、着ていく場所も選ばなければならない。複雑極まる選択の末、イッセイミヤケは存在しているのだ。

しかし、イッセイミヤケ

ハイブランドなのだから着てみないと勿体無い。アサシンになれる自信はないが、アサシンルックにはなれるだろう。名古屋屈指の繁華街の栄にでも着ていってみようか。そのカジュアルアサシンが合っているか間違っているかは分からないが、繁華街の煩雑さは多少のミスを許してくれるであろう。ファッションは楽しいものだし、なによりチャレンジ精神を大事にしていきたい。

というわけで、栄にて少し間違っていそうなアサシンがいたらそれはきっと自分だ。ファッションに詳しい方には、ぜひご教授頂きたい。