OTNK日記

20代。ゲイ。種々雑多な日記。

Mr.children「NOT FOUND」をFOUNDした話

8分の6拍子というものをご存知だろうか。

1小節に8分音符が6つ入ったものを指す音楽用語である。通常はピアノがこれを刻む例が多い。

8分の6拍子はハチロクとも呼ばれる。ハチロクはバンドマンの中での通称で、バンドでのハチロクといったら「ロッカバラード」である。古くは50~60年代にかけて流行り、ポールアンカとかプレスリーの曲の中に多く登場していた。特徴的なリズムで聞けば分かると思う。音楽初心者の自分にも分かった。

なんの話かと言うと、自分このハチロクの曲が大好きなのである。ロッカバラードが大好物なのである。意識的に探すわけではないが、聞いたらビンビン来る。自分の知っているハチロクのJ-popとしては、

ELLEGARDEN・・・GOOD MORNING KIDS

椎名林檎・・・ポルターガイスト

ポルノグラフィティ・・・瞳の奥をのぞかせて

などがある。他にもあるが、この三曲を並べれば大体どんな感じのリズムかは分かってもらえるだろう。

そんな半世紀前のアメリカンロックから現代のジャパーニーズポップに至るまで、名曲を生み出し続けてるのがハチロクである。

そして今日。久しぶりにミスチルを聞いていたらまた嬉しくもハチロクリズムの曲に巡り合った。Mr.childrenの「NOT FOUND」という曲である。

 

NOT FOUND

NOT FOUND

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 ミスチル。自分がおぎゃあとこの世に生を受けたときには、既にブイブイ大ヒットを飛ばしていた。J-popというメジャーなステージで長年活躍しているモンスターである。

しかしそんなどメジャーなバンドだからこそ、膨大な曲を生み出していて、これを改めて聴きなおそうとすると相当の労力を要する。有名どころのジレンマだったりする。

しかしそういうバンドは、大抵ベストアルバムなるものをリリースしてくれていて、リーズナブルに歴史が追えるし、人気うなぎ登りのころの曲をしっかり聞ける。

やはりミスチルといったら桜井和寿に焦点が集まる。メロディの生産工場だ。なんでこんなにメロディが出てくるか分からない。最近こそバラード偏重なきらいがあるが、キャッチーなメロディを書かせたらキレキレのセンスを見せつけてくれる。言葉遊びをしながら主張を述べる歌詞のセンスもやはり飛びぬけている。今も昔も。

「NOT FOUND」は、9枚目のアルバム「Q」に収録されている。ベストアルバムにも収録されているので、ファンの間では相当の有名曲なんだろう。しかし、ダブルミリオンの2曲や、恋なんてシーソーゲームといってる曲たちに比べたら若干知名度では落ちるであろう。

しかしほんとに隙の無い曲である。リズム、メロディ、歌詞どれをとっても自分のスウィートスポットをばしばし叩いてくる。

リズムは前述の通りのハチロク。泣かせるこぶしソングの絶対法則といっても過言ではない。

そしてメロディ、ハチロクの曲はサビでF→G→C的なコード進行をすれば良いと相場が決まっている。それに倣ってそういうコード進行をする曲が多いが、「NOT FOUND」は違う。とってもメロディアス。メロディアスって言葉があるか知らないが、思わずこんな言葉が出てきた。あみだくじでコード決めたんじゃないかくらいに不規則なコード進行だが、それが奇跡かそれとも狙い通りか見事な調和を示している。

最後に歌詞。平たく言うとラブソングなのだが...悲しく、そして切ないラブソングだ。細かく考察して自説を滔々と垂れ流すのもちょっと無粋な気がするレベルの奥深さと複雑な歌詞なので、とりあえず特に好きなフレーズを貼っておく。

僕はついに見えもしないものに頼って逃げる

君はすぐ形で示してほしいとごねる

矛盾しあった幾つもの事が正しさを主張しているよ

愛するって奥が深いんだなぁ

ね?すごいでしょ?

10年以上に昔の曲だが、この曲を初めて聞いた身としては新鮮なことこの上ない。当たり前だが、まだまだこの世には自分の知らない名曲が眠っている。あと何万曲あるだろう。嬉しい果てしなさだ。明日もきっと名曲に出会えるだろう。それを期待して眠りにつく。