OTNK日記

20代。ゲイ。種々雑多な日記。

井の中の蛙、星を見にいこう。

昨日、綺麗な星空を見た。別に恋人とのランデヴーとかそんなロマンチックなものじゃなくて、仕事で田舎に出張するから綺麗な星空をどうせなら見にいきましょうか、みたいなほんとについでみたいなものであった。そもそもそこまで星空に興味があったわけでもないし、見にいくのが仕事の先輩と同僚というなんともな取り合わせであった。しかしだ、実際に見てみるとこれが感動するんもんだ。

 

皆さんはYouTubeのアカウントを持っているだろうか。アカウントを持っていると自分が過去に見た動画履歴を参照して延々とオススメ動画を挙げてくれる。YouTubeのAIに自分の好みをさらりと当てられて釈然としない気持ちを抱えつつも、結局そのオススメ動画の渦に飲まれていく。

渦中、不意にログアウトしてYouTubeを開いてみると偏りのない動画群を見ることが出来る。自分一人の守備範囲ではまず見ることのなかったであろう、料理動画や子育て動画などの社会の最大公約数を知ることができる。

 

家と会社の往復なんていう代わり映えのしない日々を送っているとその偏りの渦中へどんどん落ちていく。新たな価値観の創出は中々に難しい。見覚えのある曲、見覚えのあるニュース、見覚えのある動画に何度も目を通す。それはそれで楽しい。

けど世界はとっても広い。深く掘ることもいいが、広く拓げることもまたいい。

昨日見た星空は自分じゃ絶対に見に行かない代物だった。しかし相当に好奇心をくすぐられる代物だった。美しくもあった。

好きな音楽のミュージックビデオを腐るほど見返して、自分の好きなもの一点で興味を深めていくのも一興。でも星空とか夜景とかそういう純度の高い一次情報の中に自分を晒して、自分の感受性に刺激を与えるのもまた一興だ。

宇宙の遥か彼方に浮かぶ星々が作り出す満天の星空。ちっちゃな地球からちっちゃな自分がそれを見上げるとなんだが複雑な気持ちになってくる。自分が如何に小さな世界に身を置いていたか思い知らされる。

情報の偏りの渦中にある自分は井の中の蛙だな、なんて思った。そして満点の星空に大海を見た気がした。

 

なーんてロマンチシズムに没頭してみてもやっぱり日々に追われることは追われる。現代社会で生きる我々に目の前のちょっと先の景色を見続けることは結構難しい。

けど、たまには、たまには個人的に星を見に行くのも悪くないかな、と思った出張でした。仕事は殆どしませんでした。

以上

 

星守る犬

星守る犬