OTNK日記

20代。ゲイ。種々雑多な日記。

あーもうやだ!仕事やだ!貝になりたい!私は貝になりたい!

仕事というものはなんであそこまで気持ちを鬱々とさせるのか。なんなんだ仕事っていうのは。生きていくためには仕事をしなくちゃならないってなんなんだ。社会ってなんなんだ。思わず鬱々としちゃうよ、ほんとに。

鬱。鬱々。うつつ。現。

現に今、欝なわけだ。仕事が回らないこと回らないこと。別に自分から仕事を取りに行っているわけでもないのに、回ってくる仕事だけですぐに手がいっぱいになる。四次元ポケットだって満杯だ。

 

あーもうやだ!冬眠したい!熊になりたい!貝になりたい!私は貝になりたい!そうだ!次は貝になろう!

こんな気持ちを表しているのが鬱っていう字らしい。

「鬱」っていう文字の本質の突き方はなんとも素晴らしい。欝はすっきりしていない。欝はごちゃごちゃしている。欝は不安定だ。これを一文字で「鬱」で表す妙技たるや。天晴れだ。いや、鬱だ。

この字面の素晴らしさをもっと深めていこう。仕事からの現実逃避だ。どうせなら鬱をとことん究明してみよう。

 

「鬱」

まずは分解してみよう。

まず上の冠の部分。木と木の間に缶が挟まっている。もう意味が分からない。いきなり躓いた。缶に躓いた。ゴミに躓いた。鬱々としてくる。缶がなければ林だ。しかし林ではない。

想像してみてほしい。茂る木々。空はきっと曇天だろう。よく分からない鳥の鳴き声が木々の間でざわめく。薄暗い林。その中に一つ、ぽつんと缶が置いてある。何故あるのか、誰が置いたのか、いつから置いてあるのか。何も分からない。

不気味だ。気味が悪い。不気味なフィーリングが、冠として乗っかている。これだけでもう、楽天家がこの漢字を作ったのではないと予想できる。きっと鬱々とした人がこの漢字を作ったのだろう。違いない。

下に移る。不気味な林の下にはワ冠的ななにかで閉じられた色々がごちゃごちゃしている。さながら陰鬱な地下空間を思わせる。不気味な林の下にはこれまた不気味なものが詰まっている。

左上には「※」が箱の中に入っている。これは果たして「※」なのだろうか。いや違う。この箱のフォルム、どこかで見たことがある。そうだ、「凶」だ。こいつは「凶」のパワーアップバージョンなんだ。凶だけでは足りない負のオーラがひしひしと感じられる。業を背負った禍々しい何かを感じる。それが箱に入った「※」なのだ。

その下に鎮座するは「ヒ」だ。「ヒ」、卑猥の「ヒ」、卑怯の「ヒ」、ヒ素の「ヒ」。どこからともなく魔女の笑い声。ヒヒヒ。

怖すぎる。これは怖すぎる。「ヒ」が下部に配置されいる文字なんて「鬱」意外に自分は知らない。見聞が狭かろうと知らない。この滅多になさがより不気味さを際立たせている。

そして止めの三本線。上の林が地下世界に侵食しているようだ。ジメジメとした蔦が、凶とヒにねっとりと纏わりついている姿がありありと想像できる。しかもこの三本線が、「鬱」という文字をアンバランスたらしめている原因とも言える。湿った蔦が右半身に絡み付いて本体をなんとか支えているといったところだろうか。

 

「鬱」。なんともビジュアル面と本来の意味が合致している。「鬱」には鬱が詰まっている。「鬱」は鬱以外の「鬱」では決してありえず鬱としてのみ存在し得る。

逆に言えば「鬱」がこれだけ鬱々としてくれているのだ。自らの鬱々とした感情なんて、この「鬱」に比べればなんてことはないのかもしれない。鬱が「鬱」であるように、自分も自分らしくしなきゃいけないのかもしれない。

自分らしさ。それを多忙の中で見失っていたかもしれない。「鬱」の鬱らしさに勇気付けられた気がした。なんだ、「鬱」ってやつも悪くないかもしれない。

 

月光

月光