かばんパワーを高めたい
基本的にかばんを持たない。
外出する時には、ほんとに最低限必要な物しか持っていかない。
スマホと財布。ほんとにこれだけだ。だから、かばんに物を入れて持っていくという習慣は今の自分にはない。
持っていく物がその二つだけでも、夏の薄着だと結構にポケットがパンパンになっちゃったりする。大変みっともないですよね。はい、すいません。
そうはいってもフリーハンドの快適さは中々に手放せるものではない。フリーハンドの快楽は、それこそ中毒性がある。両の手が自由になっていることにより無限の可能性を秘めている。カバンという荷物から解放される喜び。荷物の運搬のために荷物を増やすという輪廻からの解脱。これらの要因によりフリーハンドの快適さは保たれている。
ビジネスシーンならいざ知らず、プライベートにおいてかばんを持つことはほぼほぼない人間だ。しかし、世には物凄くかばん力、通称カバンパワー(KBP)が強い人間が存在する。
遠足に来てるのかってくらいに普段の生活からかばんの中に物を入れている人のことだ。絆創膏なんかは当たり前。制汗剤やちょっとしたお菓子。常時タコ足配線を携帯している猛者すら存在する。
正直、ものすごく助かる。かばん力(KBP)無双の人間が友達にいると、四次元ポケットなんかよりよほどありがたい。持たざる者は持つ者に対して果てしなく無力だ。ただ頭を垂れるしかない。ただその力をありがたく享受する他ない。乞食だ。かばん乞食。
かばん力をフル活用することによるありがたみは分かっているはずなのに自分でそれを持てないのは何でなんだろうか。最低限しか持たないって胸張って言ってるくせに結局最低限にも満たしていないことは多々ある。街で配っているティッシュに頼る事は多々ある。
かばん力(KBP)の強い人とかばん力(KBP)の弱い自分。何が違うかって言ったら、きっと想像力が違うんだろうなと思う。想像力が必要不可欠の枠を広げてくれているんだろう。靴を履いた時点で靴擦れまで想像できているから、絆創膏を持てちゃうわけだ。いらない方向にばかり想像力を働かせて、実用的な方向には全く想像力が働かない自分を呪いたい。
重ねて、想像力の強い人は外出時に感じた不便を心に留めておく力も強い。外出の中で不便を感じれば感じるほど、当人のかばん力(KBP)は高まり、完全装甲のかばんに近づいていく。カッコいい。
しかし、これも重ねて言うが自分は完全装甲になれない。なろうとしない。皆が皆、かばん力を高める必要なんてないんじゃないだろうかとも思う。
「数学の教科書忘れたから見せてくれない?」
こんな一言から隣の席の子と机をくっつけちゃって始まる恋があるように
「ちょっと絆創膏ちょうだい」
から始まるコミュニケーションだってきっとある。かばんを持たざるからこそできるコミュニケーションだ。大事にしていきたい。
それを相手が快く思ってなかったら、それはもうすいません。かばんをもたない自分が悪いです、はい。すんまそん。
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