ワークとライフの二律背反シーソーゲーム
恋なんて言わばエゴとエゴのシーソーゲーム
桜井和寿が、アダムとイブの時代から流れ来る血潮の性を歌った大ヒット曲だ。愛想なしの君への、ちょっと厭らしくも温かい気持ちが揺れる揺れる。揺れる揺れるシーソーゲーム。
相反する二つの事柄の均衡は、大概がシーソーゲームで表されてしまう。ガガガSPが綱引き帝国なんていう歌を出していて、これは愛や恋の駆け引きをシーソーではなく綱引きであらわしているのだが、シーソーの知名度には負けるので割愛する。綱引きよりシーソーである。
愛や恋の駆け引きのように自分と他者の間でのシーソーゲームもあるが自己完結型でのシーソーゲームもある。いわゆる葛藤だ。伸るか反るか、やるかやらまいか。自分の気持ちのシーソーゲーム。このシーソーゲーム、自分の気持ちに素直になる、それだけで答えはすぐに決まるのにややこしい体面やどうしようもないプライドが邪魔をするものだから悩みに悩むシーソーゲーム。
さらにもう一つ、社会に投げかけられているシーソーゲームも存在する。仕事と私生活のシーソーゲームだ。ライフワークバランスなんて言葉が出てきて久しい。今回はそんなライフワークバランスの話。
ライフワークバランス。仕事もほどほどに有意義な自分の時間を過ごそう!こんな定義だった気がする。働きすぎな日本人が、シエスタなりバカンスなりしてメリハリをつけている欧米文化を日本人お得意の模倣をすることを目的にしている。
「欧米はたいして働いてないのにあんなに生産性良いんだゾ!見習ってコ!」みたいな勝手なイメージ欧米論で、自分たちの私生活の充実を圧迫してきている。それはそれで目指すべきところなのかもしれないが、ちょっと待ってほしい。この圧迫は頭の切り替えがそんなに早くない人間にはなんとも辛いシーソーゲームになる。
頭の切り替えが早い人は良い。盛大にワークとライフのバランスを取っていってほしい。しかし、頭の切り替えスイッチが複雑な構造をしている人間も数多く存在する。シーソーゲームすることで不安と心配が胸中を支配してしまう人やそもそも仕事終わらんわって人もいるだろう。というか、自分は圧倒的に後者だ。
そういう方たちにライフ側のシーソーを自力で下げろってのも中々難しい話なのだ。ライフを大事にするが故に不安と心配が募るというアンビバレントなことが起こる。充実したライフは、充実したワークの上に成り立っている。
ライフの拡大は、即ちワークの圧迫を示すのだ。ワークにキャパシティを割いている現状において、ライフの充実はそんなに重要なことじゃない。家帰って寝られて、週休二日ならそれで良い。
ライフワークバランスとは、シーソーゲームのような二律背反ではなく、相互作用のもとに存在していて、それは強要されるものではないと主張したい。ライフワークバランスを迫ってくる我が社へのせめてもの反抗にネットの隅に不満を垂れ流してみた。
- アーティスト: Mr.Children,桜井和寿,小林武史
- 出版社/メーカー: トイズファクトリー
- 発売日: 1995/08/10
- メディア: CD
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