OTNK日記

20代。ゲイ。種々雑多な日記。

欅坂46とボブ

先日、イヤフォンを失くした。いや、イヤホンだろうか。イヤフォン?いやいや、イヤホンか。やっぱりイヤフォンだ。

そんなことはどうでもよくて。これまでにどれだけのイヤフォンと別れてきただろうか。最後まで添い遂げられたイヤフォンは未だない。いつも俺より先にいってしまう。太宰治も入水自殺の際、こんな気持ちを味わったのだろうか。イヤフォンの喪失に文豪の心緒を重ねつつも、イヤフォンを探す。

探すけど見つからず、探すのをやめたら出てくるだろうという諦めをいまや感じている。

しかし特段の不自由はない。移動のほとんどは車を使うゆえ、車内での音楽にイヤフォンは必要ない。車を使わず歩く際には、好きな音楽を聴きたいと考えることもある。そうすれば、好きでもない雑踏とか往来の音を聴くことがなくなる。だが、そういう規律のない音は集中をもたらす。静かな部屋で勉強するより多少雑音があったほうが勉強に集中できる、というのも同じ理論だろう。規律のない、細工のない音の中で自分のリズムをつくる。淡々と歩く中で考え事をする。存外いい時間だと思う。

と言いつつも、今日は無性になにかを聞きたくなった。近くの電気屋に行き適当なイヤフォンを買った。音質には無頓着なのでそこらへんはほんとに適当だ。そんな適当な耳で聴いた曲は、ボブ・ディラン「風に吹かれて」。


Blowin'The Wind ボブ・ディラン 風に吹かれて

お洒落か。そう思ったに違いない。自分も思った。と言うのも自分が聞こうとしたのは欅坂46の「風に吹かれても」である。


欅坂46 『風に吹かれても』踊ってみた 【百合坂46】

公式MVがなかったので、ちょっとだけ知ってる百合坂さんを貼らせて頂く。権利関係で問題あるだろうか。あったら粛々と消そう。

閑話休題。一文字違いであった。しかし、偶然の出会いもまた一興であろう。まぁいいやと思い、神の声と言われるボブ・ディランの声に寄りかかることにした。

久方ぶりに音楽とともに歩いた。魚が飛び跳ねているかもしれない。犬が鳴いているかもしれない。それをすべてふさぎ込んでの「風に吹かれて」。すべての答えは風の中。思えば、ボブ・ディランも欅坂も言いたいことは同じだ。問題の核心が戦争か恋かくらいの違いである。恋と戦争は手段を選ばないとはイギリスの諺だが、同列で語られるべきものという認識で良いのかもしれない。

風の音と音楽。どっちも聞いてどっちも楽しんでいきたい。

 

風に吹かれても

風に吹かれても