OTNK日記

20代。ゲイ。種々雑多な日記。

アイスを愛すと I scream

いよいよもって夏到来である。夏といえば諸兄方は何を思い浮かべるであろうか。青い海、白く高い雲、小麦色に焼けた肌、鮮やかな黄色に咲き誇る向日葵に、山は溢れんばかりの緑を湛え、カキ氷といったらやはり真っ赤なイチゴシロップだろう。

毎年訪れる夏ではあるが、その鮮やかさには毎年ワクワクする。冬に比べビビッドな色合いが映える季節であろう。YUIが「Summer Song」で”真っ赤なブルーだ”と歌ったのも納得である。

夏といえばのイメージは十人十色であろうが、自分の夏といえばやはりアイスである。アイス。アイスクリーム。ここでは氷菓とアイスクリームの両者を括ってアイスと表記するとする。

何を隠そう自分、アイスが大好きなのである。一家がそろう休日の食後には必ずアイスが添えられるという甘党からの推薦を一手に受ける我が家で育ったため、遺伝が、細胞の一つ一つが甘味を求めているといっても過言ではない。最早、生まれが甘味を求めるカルマを背負わされているといってもいい。

そのような宿業を背負うため本日もアイスを食べる。さらに季節は夏ときた。夏とアイスはヤン坊マー坊のように切っても切れない間柄にあるといって良いだろう。協力作用により相乗効果を生み、乗数効果的にシナジーを生む。言うならばこんな関係だ。

まず労働後の疲れた体に喝をいれるべく近所の中華屋でスタミナ定食を食べる。明日への活力、つまりスタミナ。豚バラとキャベツがオイスターソースの中で踊る。ニンニクの風味が鼻に抜ける。なんともいえない幸福感だ。一人暮らしのデメリットとして帰っても夕食が用意されてないことが挙げられるが、裏を返せば何を食べてもいいわけで、美味しいものをゆっくりと味わえる時には一人でよかったとじんわり感じる。スタミナつけたいときに素麺なんて出てきてしまうよりは、自腹を切って後腐れなくスタミナ定食を貪れるのは得である。

美味しくスタミナ定食を頂いた帰り道には1軒コンビニがある。塩味の後は甘味を食べたくなるのは必定である。甘味を求める市民運動を全細胞が訴える。プラハの春ビロード革命に続くスクロース運動が体内で巻き起こる。パブロフの犬がベルと共に涎を垂らすが如くコンビニに吸い込まれ、吐き出されたときには雪見だいふくが手に握られていた。

 冬のアイスの定番であるが、冬にアイスを食べるのが乙であるならば夏に冬のアイスを食べるのもまた乙ではあるのだろう。しかも、雪見だいふくは本来、冬季限定の発売であったが今年4月から通年発売になったという中々にホットなアイスでもある。ホットな夏にホットなニュースを持つ今の雪見だいふくは、かまくらに入りながらのそれよりも情緒を醸しだしてくれるだろう。

そんなことを思いながら袋を開け、食べる。

 ふわふわのおもちの中には柔らかいバニラ。白いバニラを包むのはこれまた白く弾力のあるおもち。なるほど、これは確かに冬だ。一つのだいふくに果てしなく広がる雪原が見て取れる。

もちっ、ふわっ、もちっ。

ショパンが現代に生まれていたら子犬ではなく雪見だいふくでワルツを書いていたに違いない。ヨハンシュトラウスもこの三拍子に巡り会えなかったことに天国でさぞや後悔していることだろう。それほどまでに完成された食感の三拍子。深々と降り積もる大粒の甘味。スタミナ定食の塩味を覆い隠し、口の中を一面の銀世界へと変える雪見だいふくの返し技は見事であった。

コンビニで100円ちょっと。それだけでこの幸せを得られるのであれば、雪見だいふくにいくらでも貢ごう。愛を注ごう。今年の夏はきっと暑くて冷たい。

 

ロッテ 雪見だいふく9個入ボックス×8入