サプリとドライカレーのミッシングリンク
DHCサプリメントをご存知だろうか。
株式会社DHCが製造・販売するサプリメントのことだ。
自分の友人にこのDHCサプリメントの信者がいる。マルチビタミンだかフォースコリーだかを毎日飲んで健康を保っているとのことだった。さらにそこにスッポンだかにんにくだかのサプリも合わせて飲むと脳みそがビキビキいって信じられないパフォーマンスが発揮できるのだとかできないだとか。
日ごろからそんなにパフォーマンスを発揮するべきことあるのか…？という疑問はさておき。個人的にはサプリをあまり信用していなかった。そういうものに投資をして能力改変に期待するなら大人しく自力を鍛えろよ、とか思ってしまう性質だ。
しかし、これは大きな間違いかもしれないと思い始めてきた。
最近、お昼ご飯に職場の近くにあるカレー屋さんに行く。日本人のおっさんがやっているドライカレーを専門としたお店で、その珍しさにそこそこの人気店となっている。
ドライカレーってめっちゃ美味しい。美味しい野菜と美味しいお肉と美味しいルウの三者三様が彩る味の宝石箱。美味しくなることを宿命付けられた食べ物といえる。
ドライカレーでなにより注目したいのが、入っている野菜の量だ。山のような野菜が煮詰められて煮詰められて水分が飛ばされて、ギュッと詰まったものがドライカレーとなる。新鮮な野菜が凝縮されたドライカレーは栄養の塊に見えて仕方がない。一口一口に凝縮された野菜の成分が入っていると考えると健康になる気がしてならない。
野菜何日分なんだろうか。美味しく食べてるこのドライカレーには野菜何日分が詰まっているのだろうか。やはり宝石箱である。旨味と栄養の宝石箱。こんなに一挙両得な食べ物があって良いのだろうかと訝しがりながらカレー屋のおっさんが作ってくれるドライカレーをありがたく食べている。
サプリってドライカレーみたいなものなんだろう。自分がありがたがって食べている猛烈に栄養の凝縮したドライカレー。友人がありがたがって飲んでいる猛烈に栄養の凝縮したサプリ。この二つの違いはカレーの形をとっているか錠剤の形をとっているかの違いでしかない。
もしあのカレー屋さんのおっさんが、野菜を気が失うまでみじん切りをし、オブジェになるまで黙ってカレーを煮込み続けたとする。細々とした野菜や肉は超長時間の煮込みによってクタクタを極め、凝縮に次ぐ凝縮を繰り返す。そしてついには一点の粒になったとする。
それはきっとサプリと一緒だ。ドライカレーとサプリはほぼ同じ世界線に存在するといっても良いのかもしれない。
DHCのサプリを愛おしそうに撫でる友人を見て、一時は冷ややかな視線を送ってしまったことを謝りたい。あれは凝縮したドライカレーなのだ。健康の塊、栄養の塊なのだ。そんなことを気づかせてくれたカレー屋のおっさんに最大級の感謝を込めてこのブログの締めとする。
