OTNK日記

20代。ゲイ。種々雑多な日記。

旅先でマックに入るようなことはしたくない したくないよあたしゃ...

旅先では旅先でしか出来ないことをしなくちゃもったいない。今できることをしなくちゃもったいない。もったいない時間を過ごしたくない。もったいない、もったいない。

旅先で感じるもったいないは誰しもあるんじゃないだろうか。可能な限りその場の生(なま)を体験したいという強迫観念にも似たなにか。しなければいけないという使命感。

自分も例に漏れずその~ねばならないに突き動かされる人間だ。とにかくそこでしか食べられないものを食べてみたいし、そこでしか見られないものを見てみたい。

 

北海道は北海道の、沖縄は沖縄の、いわゆるならではの空気は率先的に感じていきたい。音の鳴る耳栓を外して、現実を見つめる色眼鏡を外して、その街のライブ感を体験したい。それぞ旅だと思う。

だから決して旅先でマクドナルドには入らない。コンビニには極力行かず、空腹も現地のものにありつけるまでは出来るだけ我慢する。スマホもニュースも基本的には見ないで、オススメの店も人づてで訪ね歩きたい。あと、現地の男も食べたい。RPGの縛りプレイみたいなものだ。自分ルールにどこまでも則る。

しかし、なんでまたここまでその場の雰囲気ないしは空気を大事にしようとするのだろうか。

旅の特別感が自分の中で強いのだろうと思う。旅慣れていないからだとも思う。しかし、この感覚は多かれ少なかれ誰にでもあることであろう。旅に出てまで好き好んでセブンプレミアムなローソンにミニストップしてあなたとコンビになりたい人なんてそうそういないはずだ。

 

この世の中、均一化されたものが多すぎるのだなとも思う。日常生活を送る上では有難いことだが、それが旅の特別感を損なっていると言えなくもない。

水に絵の具を垂らしたら全体に色が馴染むように、日本全体が同じ色に染められつつあるように感じる。チェーン店が発達して、数の力に物を言わせるマーケティングが主流になった現代。

そうなる以前の日本は、水ではなく紙だった。垂らされた絵の具は溶け合い混ざることなく、その場の色として強く残る。ご当地ご当地の色で彩られた固有色の強い世界だ。

 

兎角便利になった現代日本。いつでもどこでも大体同じ値段で同じものがある程度揃う。東京を中心として、水の中に色んな色を垂らして日本を均一の色に染め上げているからこその便利さだ。便利は良い。人は勿論それに縋る。

普段はそれで良しとしても、旅行となると話は変わってくる。均一がもったいない。一生懸命に特別を求める。固有色を渇望する。誰もが便利さの反面の堅苦しさを感じている反動なのだろうか。そこんとこは分からない。

色んな色を混ぜ続けるとそこに残るのは濁った暗い色だ。混沌とした色に支配された場所にきっと旅の情緒は求められないだろう。旅そのものに意味を求められない世の中が来ちゃうかもしれない。

丁度良い塩梅を。どうか便利と情緒のベストなバランスを求めていきたい。そんなスマートな日本に、自分になっていきたい。

 

いい日 旅立ち

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