OTNK日記

20代。ゲイ。種々雑多な日記。

記念日文化をぶち壊したい

聖しこの夜、クリスマス。

クリスマスが近づき、街が赤と白と緑に彩られる日々がもう始まっている。ケンタッキーに行列が出来るこの日は元々なんの日かって言うと、キリスト氏の誕生日である。祝われて然るべき誕生日、キリストともなれば人々がこぞって祝うのも納得だ。

 

誕生日。略さずに言うと誕生記念日。誕生日誕生日って口々に言われるが、要は記念日なのだ。そして、クリスマスが近づく度にそわそわし出す恋人たちには記念日が盛りだくさんだ。

付き合い始めた記念日に始まり、結婚記念日だ婚約記念日だ。俵万智にいたってはサラダ記念日なるものまで登場している。こんな風に記念日を作っていけば、何年後かには毎日が記念日になってしまう。毎日がアニバーサリーだ。毎日がエブリデイだ。

 

よく議題として挙がるのが、恋人たちの記念日をどこまで祝うのか、ってことだ。付き合って1ヶ月。2ヶ月、3ヶ月...

 

Well begun is half done.

 

始め上手くいったものは半分出来たも同じ、なんていう格言があるように付き合い始めを重んじることはそれなりに意味のあることなのかもしれない。しかし、8ヶ月目とかにもなるともうどうでもよくなってくるのも人間の実情だ。

個人的には何ヶ月記念日どころか、誕生日すら怪しい。人の誕生日を覚えるのが苦手なので、相手の誕生日も自分の誕生日も特に何もなし。今日もなんてことない平日だよ。っていうスタンスで生きてきた自分だが、世の中のお祝い事ないし記念日好きに揉まれて最近はそうも言えなくなってきている。

 

記念日を数えて数えてカウントしていった日々はきっと素晴らしい日々になることであろう。なんでもない日ってのが無く、毎日が自分にとって、誰かにとっての特別な日として色をつけていく作業はきっと生きる喜びに溢れている。

また一方で、ひたすらになんでもない日を進み続けて、ふと振り返った時に積み重ねた物の達成感を味わうこともまた素晴らしいことだろう。気づいたら10年経ってました、みたいなやつだ。一つ一つを区切らないで全てが連続したものと捉える。派手さは無いが、堅実で人生の抑揚に耐えていける強さを備えることが出来る。

 

人生はなんでもない日に溢れている。それに色をつけて特別な日にすることも出来る。

対して、なんでもないをなんでもないままに過ごして日常を安穏に過ごすことも出来る。どっちが優れてるって話でもない。

自分は後者を選びたい。記念日を作ることなく過ぎていった日々は誰にも語られることは無いが、語るほどじゃ無い日々ってのがどれだけ愛おしいか。年末が近づくにつれて、浮き足立つ街を見ると毎年こう思う。特別の中にあるなんでもなさを大事にしていきたい。なんでもない、に静かな価値を見出したい。

 

まぁ、でも、はい。流石にクリスマスは祝いたいと思います。一応、キリスト教徒ですし。今年もケンタッキーに並びます。

 

クリスマスソング

クリスマスソング