OTNK日記

20代。ゲイ。種々雑多な日記。

体育会系新卒に光あれ

一応、新卒です。

就職してから何度この言葉を吐いただろう。顔が異次元に吸い込まれて時間旅行を経てきたというほど、顔が老けているので中々新卒フレッシュな22歳に見られない。粒粒辛苦、積み重ねた苦労が顔にきているのだろうか。そう思いたい。

顔が中途採用でも身分は新卒。求められることも勿論新卒レベルである。組織のお偉様方が異口同音で自分たちペーペーに言うことは、「新しい風を吹かせてください」である。非常に抽象的である。便利な言葉だ。耳元で桃色吐息でも吹かせてやろうか。それはそれでアガる。向こうは顔面蒼白だろうが。

問題はこの新しい風の真意である。恐らくの推測だが、組織に新しい人間が入ってくると、凝り固まった組織が少し活性化する。新しいノウハウ、考え方、見方。それらを伝播することを期待するのだろう。噛み砕くと、組織の問題点を見つけてより良くしてってくれということなんだろう。

では、自分はそれに向いているか。恐らく向いていない。なぜなら、体育会系新卒だからである。体育会系新卒。最近少なくなってきたよね、と言われるが去年就活した身からしてみればめちゃめちゃ多く感じる。誰も彼もが学生時代頑張ってきたことにスポーツを挙げる。もうバーゲン状態。別の角度からアピールしたほうが勝算あるんじゃないかと感じた。まぁでも、体育会系のウケはいい。自分ももれなく10何年頑張ってきた柔道を槍玉に挙げて、就活戦線を乗り切った。頑張ってきたことに貴賎はないが、先方の「ウケ」を考えると得な頑張りだったと思う。

個人的な見解だが、スポーツをやってきた人間は改善の矛先を自分に向けていく。柔道をやっていた自分もそうだ。どうすれば、スムーズに技がかけれるか。勝てるか。自分の筋肉と技術のなかで内省していく。仕事においてもそうだ。どうしたら効率よく仕事ができるか。円滑に事を進めれるか。

しかし。

新しい風を吹かせて云々の言葉通り、会社は外にベクトルを向けての改善を要求する。しかし、体育会系達は、内にベクトルを向けての改善をしていってしまう。

当たり前と言えば当たり前である。スポーツはルールの中で行われる。柔道で相手を倒すために殴ってはいけないし、サッカーはボールを手に持ってはいけない。決められたルールの中での努力だ。なので、「そもそもボール足で蹴る必要なくね」みたいな話にはならない。

けど、お偉様方が求めるのは「そもそもボール足で蹴る必要なくね」みたいな発想なのだと最近感じる。

目標をたててそこに注力する力は体育会系は高い。ストイックに自らを武装する。しかしそれは新しい風を自分の中に吹かせる行為である。吹かせるべきは外側であるのに。よって、体育会系新卒には内から外へのコペルニクス的転回が往々にして求められる。それが出来ずに便利づかいな人間で終わるのか次のステージにいけるのか。そこが問題点だ。上手く立ち回っていきたい。

 

体育会系人間の取扱説明書

体育会系人間の取扱説明書