OTNK日記

20代。ゲイ。種々雑多な日記。

自分のレールを歩け!

学生時代、服を愛してやまないファッション大好き人間の友達がいた。世の中の服好きに比べて彼女がどれだけファッションホリックだったのか分からないが、お高いブランドのお服がお大好きなお嬢様だった。

当然、女性服に詳しくない自分にとって彼女のファッション談義はどれも新鮮なものに聞こえた。同じ授業を何個か取っている程度の仲だったが、今日の服は総額何円だとか、このパンツは有名デザイナーとのコラボ品で世界に何点しかないだとかの話を楽しく拝聴させてもらった。

話を聞くたびになんてお金のかかる趣味なんだと思ったものだ。セットアップで幾ら、靴で幾ら、イヤリングだけでも何万とか聞いていると凝りだしたら際限ない世界なのだと実感した。

興味の対象によって出費の大きさは大きく変化する。自分の趣味といったら漫画読むかゲームやるかぐらいのものだ。それでも、先行投資としてゲーム機や本棚を買ったりするがそれも数万円で済んでしまう。生涯の漫画・ゲーム関係の出費を全て洗っても恐らく二桁万円いくかいかないかくらいだろう。彼女の持っていたあのRight-onで買えそうなTシャツ、それも数十万するらしいが、あれ一枚で自分の漫画・ゲーム人生の全てが賄えてしまうだろう。

価値観は人それぞれだ。趣味なんてものはその人の育った環境、生まれ持った気質で千変万化である。そこに貴賎はないし、優劣も当然ない。だが、数値化してしまうとそこには趣味ごとに大きな出費の隔たりが生まれる。

最もローコストな趣味とはなんだろうか。近所の散歩とかだろうか。見慣れた景色を何度見回しても飽きない、数分、数十分の散歩に心血を注げれるのであれば出費0で最高の満足感を得ることができる。

コストの話もあるが、世間受けの話もある。近所の散歩と映画鑑賞であれば、映画鑑賞の方が会話を共感的に話せる人のほうが多いだろう。全力でハッテン場を開拓する人も全力でオシャレカフェを開拓する人も、どちらも同じ熱量の義に燃えているのだろうが、どうしても全力でハッテン場開拓をしている人には怯んでしまう人は多いだろう。

趣味に貴賎はないはずなのに、である。

だからといって、世間様から分かりやすく受けのいい趣味を目指し、育てようとすると途端にやる気を失ってしまうだろう。不思議なもので、自己から湧き出る興味と他から染められる興味では圧倒的に自己本位の継続力の方が強い。

最早、趣味とはコストとか受けとかの話ではないのだ。大学時代の学友の彼女も散歩が趣味であろう人もハッテンバ通いの人も。人それぞれに興味のレールは既に敷かれてしまっている。大人なら尚更だ。そのレールに乗り入れがあるかどうかは走ってみなければ分からない。もしかしたら近所の散歩をしている途中に素敵な人と偶然ぶつかり、それが人生の伴侶との出会い…みたいなこともあるかもしれない。ないかもしれない。だからこそ続けるのだろう。鯉が滝を昇って龍になるように、人生何が起こるかわからない。趣味が何かに結実しようとしまいと続けることが肝要なのだ。というか趣味は趣味だ。楽しめればそれでもうオールOKだろう。

なんとも有り体でありふれた常道の事を長々と書いてしまった。それはいつもかと思ってしまうが結局、結論がこうあるように結論がこれで終わるように、自分たちは自分たちの趣味を楽しめば良いのだろう。趣味の付随事項に惑わされず自分のレールを歩く、中国4千年の歴史ばりに連綿と続く代わり映えのない結論であった。

 

プラレール プラレールをはじめよう! レールベーシックセット

プラレール プラレールをはじめよう! レールベーシックセット