生きてるだけで褒められたい

継続は力なり。

自分を、他者を奮い立たせるための名文句だ。なんでも続けることに意味がある。継続をすることによって生み出されることは多々ある。

昔、擦り切れるほどやったゲームは今になっても難なくクリアできたりする。十年以上続けた柔道の型はいつまでたっても覚えている。

技術的な問題もそうだが、続けることによって一つ一つ物事を積み重ねる忍耐強さやミクロからマクロを見つける能力が養われているんじゃないかって思う。継続を推奨するこの世の真理の一つだ。続けた後、継続をやめたその先も残り続ける力がきっとあるよ。なーんていうメッセージを感じずにいられない。

しかし反対に、継続をやめた時に失うものも多々あるとこの言葉は言っている気がする。

継続してきて止めた後も、理論的な成熟は見込める。積み重ねが有利に働くことは確かにある。ただ、技術や肉体面は大きく衰える。筋トレを止めたとき、その筋肉は翳りを見せる。続けた土壌は確かに残るが、止めてしまったら何も残らないことは多くある。これもまた継続の真理であろう。

その二つの面を含んでいる言葉が「継続は力なり」なのだ。

しかし、今日ふと思った。

続けた先の結果にのみ言及しているこの言葉だが、もっと拡大解釈してみてもいいんじゃないだろうか。継続自体が力だと、もっと言えば生き続けていること自体が凄いことだよって言ってくれているんじゃないだろうか。ほんとにふと思った。上司に叱られている時に。要は現実逃避だ。

中断や撤退は思いの外簡単に出来る。やめた！と言ってしまえばそれっきりになる。その辺の道路でトラックの前にこんにちはすれば現世とさよならできるし、仕事も家も投げ捨てて富士の樹海とかに迷い込めば、社会的にもサヨナラできる。

英語が続けられないとかダイエットが続けられないとか言っている以前に、皆様ものすごく継続している。生命もそうだし、社会とのつながりもそうだ。何年もかけて今の生活に落ち着いて、基盤をつくりその基盤を守り続けている。基盤を壊すのは簡単で、続けていることがもうほんとに凄いことで。天晴れ。ほんとにみんな天晴れだ。

継続は力なり。

継続した先にあるものじゃなくて、継続そのものに意味があるんだ。あなたが生きていることに意味があるんだ。そう言ってくれている様な気がする。

そうだったらなんか幸せじゃないか。続けているだけで、そこからなにを得れるか分からないけど、続けている事実が力なんだ。

本日も上司に怒られながらも、しっかりと出勤し、こうやってブログを書いて鬱憤を晴らす。この当然な継続の循環を誰かに褒めてもらわなくても自分で褒めていこう。とりあえず酒を飲もう。今日という日に乾杯。