欲求のクロスロード
世の中色んな欲求が存在する。
寝たい、食べたい、SEXしたい、物を買いたい、褒められたい、すごいものを見たい。そういう欲求たちも根源的な欲求を突き詰めていくと、気持ち良くなりたいとか楽したいとかそういう短絡的で安直な欲求に繋がっている気がする。
そういう安直な欲求に如何に高尚な欲求の仮面を取って付けられるかが、世渡り上手の肝なんだろう。そういう理由付けをどんどんしていくとやがて理由付けに縛られて、本来の欲求を超えたところで何かしなくちゃいけないことが出てくる。
今日、お昼に同僚とラーメン屋に行った。そいつは「あんまりお腹空いてないなー」と言いながらもお得なランチセットを頼んでいた。ラーメン単品にすればいいじゃん、と言った際に同僚から一言。
「いや、ランチセットお得じゃん」
本来の欲求を超えた理由付けの良い例だ。本来の食欲よりもお得という理由に釣られてラーメンを腹に溜め込む。お昼だしお得なランチ食べたい欲求は完全に根源的欲求の先にあるオーバー欲求だ。
まぁしかし、欲求が欲求の壁を超えているのは今に始まったことではないし珍しいことではない。
今や味を楽しむために食はあるし、気持ちよさを突き詰めるために性はあるといっても過言ではない。ゲイにおいてのSEXなんて正にそれだ。人類繁栄という根源的欲求のさらに底の欲求に反する形で、気持ちよさを突き詰めるゲイSEXは存在している。古代ギリシャ人においては、食を研ぎ澄ましすぎて日常的に過食嘔吐を繰り返していたという。衝撃的なまでのオーバー欲求だ。
誰もが高尚な生きていく理由の裏に短絡的で安直な「気持ち良くなりたい」とか「楽したい」っていう欲求を隠しているものだ。誰もが気持ち良い思いをするために生きていると言っていい。当然だ。
当然ではあるのだが、皆あまりにしれっと上手に理由付けを行って根源欲求を隠すものだから灯台下暗しになってしまう。だから、時に剥き出しの根源欲求に直面すると警戒してしまう。
理由付けを忘れただけで人は非難されてしまう。剥き出しの欲求を晒すこともそうだが、オーバー欲求も要求する先を間違えるといざこざを生む。お昼だしお得なランチを食べたい欲求を高級店でやってしまうとそれはお互いの利益にならない。不毛な争いが生まれてしまうだけだ。例えてみると馬鹿らしくみえてしまうが、実社会の皮を被せてみると判然としなくなることもある。
コンビニや牛丼チェーンに過剰なサービスを要求してみたり、ディズニーとかの夢の国に日常的な値段を求めてしまったりする。例えが稚拙すぎるが。
上手いこと皆が皆気持ちよくなれるわけではないらしいこの世界。上手いこと理由をつけて欲求のギブアンドテイクを拮抗させていきたい。いい妥協点を。人生の長い旅の中で見つけ出していきたい。
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