OTNK日記

20代。ゲイ。種々雑多な日記。

男はいつまでたっても中二病。

中二病というものをご存知だろうか。

思春期特有の万能感により、思想・行動・価値観が過剰に発現した病態のことを指す。

中二病の名の通り、中学2年生(14歳前後)で発病することが多い。そして多くは年齢を重ねることで自然治癒していく。しかし、稀に慢性化・重篤化し、社会生活を送る上での障害になることもある恐ろしい病気だ。

この手の病気は、男の子ならだれしも起こるものだと考えている。しかし、その病態は様々だ。それまで真面目だったのに急に悪ぶってみたりとか、いわゆる孤高を気取ってみたり、急にサブカル系の趣味に目覚め洋楽を聴いてみたりたりと、表面に出る症状はそれぞれの個性があると言って良い。

それは個々人が思春期に影響を受けたものによって千変万化する。いわゆる憧れが男の子の青春を作り出すのだ。

 

自分も勿論この病気に罹った。いや、今もそれは継続中だろう。そして、自分が思春期に大いに影響を受けたもの。それはやはり明確に一つある。

BUMP OF CHICKENである。

 

omochi0721.hatenablog.com

 

以前に彼らの今についてちょろっと記事を書いた。これを読んでくれたら分かるが、藤原基夫のささくれだった感性に自分の中二病は共鳴していた。

あのオーイエーアハーンの中から自分は最高のメッセージを藤原基夫から感じ取っていたのである。

そして自分の当時の価値観に最高に影響を与えた歌が一曲ある。

5thアルバム『orbital period』8曲目に収録されている「時空かくれんぼ」という歌である。

とにかく歌詞を一部貼るので見て欲しい。感じ取って欲しい。昔の中二病の感性で。

 

安心すると不安になるね 例えば 今

だから今を未来の外れに 置いて忘れよう

そう思った過去 繰り返した 今

温かいものは 冷めるから それが怖くて 触れられない

貰わなければ 無くす事もない

もういいかい過去 まぁだだよ今 

隠れる場所はどこであろうと 常に世界の中心だから

すぐに見つかってオニにされるよ ずっと探す側のかくれんぼ

君に会わなきゃよかった 何も言わなきゃよかった

輝くものは照らすから それが怖くて近寄れない

見つめなければ 見られたりしない

泣かなかった過去 泣きそうな今

絶望すると楽になるね 例えば今

だから今を未来の果てまで 傘代わりにして

逃げてきた過去 捕まった今

 

お分かり頂けただろうか。そう、この歌詞はある論法を濫用することで成り立っている。それはいわば「戦わなければ負けない」理論である。

貰わなければ無くす事もない

見つめなければ見られたりしない

この二つの歌詞はそれがよく現れている。言葉の端々を取ってなんとなく理解させられる良い歌詞である。

始まらなければ終わらないし、生まれなければ死なない。極端に言えばこういうことだ。究極のネガティブでありながらも、しかし負けていない。死なないし終わらない。

この理論に、思春期ど真ん中の自分は最高に感化された。これぞ哲学だと、後の先をとってこそのフィロソフィーがあると納得していた。

この理論をそのままに受け取ってしまった自分。そりゃあなんとも斜に構えた少年に出来上がってしまった。

しかし、藤原基夫が伝えたかったのはこんなことじゃないだろう。おい少年、おまえは藤原基夫の事を、BUMP OF CHICKENのことをなんにも分かってないんだぜ?昔の自分に伝えてやりたい。

その証拠にこの歌の締めくくりはこうなっている。

 

隠れる場所はいつであろうと 僕の心の中だったけど

君を見つけて君に隠すよ ずっと探さなくてもいいかくれんぼ

君も怖いなら僕に隠れて どこも探さなくていいここにあるよ

すぐに行けるよ なぜなら僕は君の心のなかでかくれんぼ

君に会わなきゃ 今すぐ会いに行かなきゃ

急いで行かなきゃ もう一度ちゃんと言わなきゃ

 

「戦わなければ負けない」ことよりも「だれかと戦う」ことに結末を置いている。そうそう、こういうことなんだよ。藤原基夫とはこういう男なのだ。中2の自分に伝えてやりたい。

負けないために戦わないでおく。知らないでおくために興味を持たないでおく。でもそれは負けることや無知なことより愚かなことだ。なにもしないから負を知らないのでは、何も語れない。だからせめて、誰かと一緒に戦おう。

拡大解釈が過ぎる気もするが、この歌の本質はこういうことだろう。

 

いつのまにか歌詞解釈ブログみたいになっているが、要はなんでもやってみようってことだ。前にこんなブログを書いている。深夜のテンションで書き出したブログだった気がする。

omochi0721.hatenablog.com

やってみよう。どうやらここ数年でBUMPからWANIMAに価値観が変わったようだ。

 

 

なんか色々書きすぎて本来の着地点がなんだか忘れてしまった。今回の結末は着地はさせない。オチなんてありません。それぞれの感性に任せていきたい。

 

 

orbital period

orbital period